アルカリイオン水とは?健康への効果・効能と飲用時の注意点を解説

健康

「アルカリイオン水は身体に良さそうだけど、ミネラルウォーターとの違いがわからない」という方も多いのではないでしょうか? この記事では、アルカリイオン水の健康への効果・効能や、飲む際の注意点を解説します。

アルカリイオン水とは?

アルカリイオン水とは、家庭用電解水生成器であるアルカリイオン整水器を使って、水道水などの水を電気分解して作られたpH9〜10の弱アルカリ性の水のことを指します。

その性質から、アルカリイオン水は飲用アルカリ性電解水とも呼ばれています。

アルカリイオン水はスーパーやネット通販などでもペットボトル飲料として販売されており、誰でも気軽に購入することができます。

アルカリイオン水の効果・効能

健康に良いイメージのあるアルカリイオン水ですが、実際にどのような効果・効能があるのでしょうか?

◇ 下痢や胃もたれ、消化不良などの改善効果がある

日常的に500ml〜1,000mlのアルカリイオン水を飲むことで、下痢や胃もたれ、消化不良などの胃腸症状をやわらげる効果が期待できます。

実際、下痢や便秘などの胃腸症状を持つ患者25名に、毎日1,000mlのアルカリイオン水(pH9.5)を飲んでもらう実験では、2週間後には22名に症状の改善がみられました。下痢や便秘が、正常な便通に変化したのです。

参考:アルカリイオン整水器とアルカリイオン水|一般財団法人機能水研究振興財団

アルカリイオン水がなぜ胃腸症状を改善するのか、明確にはわかっていませんが、アルカリイオン水に含まれる水酸化カルシウムが作用しているのではないかという仮説はあります。

◇ 安全性も証明されている

毎日飲むものですから、安全性についても気になるところです。

アルカリイオン水の安全性を確かめるため、金属溶出物やトリハロメタンなどの副生成物を調べる検査や、ラットを用いた実験も行なわれています。
いずれの検証でも、アルカリイオン水の安全性において大きな問題点はないという結果が出ています。

◇ ただし医薬品のような即効性はない

アルカリイオン水は医薬品ではないため、薬のような即効性はありません。またアルカリイオン水はすべての胃腸症状に作用するわけではなく、比較的軽い胃腸症状に対してゆるやかに効果を発揮すると考えられています。

薬のような効果を期待するのではなく、毎日の健康のサポートとして、アルカリイオン水を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

アルカリイオン水を飲むときの注意点

メリットも多いアルカリイオン水ですが、いくつか気を付けるべきポイントもあります。

◇ 一日あたり500ml〜1,000mlを目安にする

アルカリイオン水の一日の摂取量は、500ml〜1,000mlが目安。これはアルカリイオン水に関する臨床試験が、この範囲の摂取量で実施されたためです。摂取量が500ml〜1リットル内であれば安全性が認められています。

◇ pH10以上のアルカリイオン水は飲まない

pH(ピ―エイチ)とは水素イオン濃度の量を表しています。一般的には1から14までの範囲で使用され、数値が大きいほどアルカリ性が強くなります。<./p>

アルカリイオン水はpH9~10。臨床実験ではpH9.5のアルカリイオン水で安全性が確認されています。pH10以上のアルカリイオン水は臨床試験による症例が少ないため、避けたほうがいいでしょう。

また、pH11以上のアルカリイオン水は血清カリウムが上昇したという報告もあります。血清カリウムが上昇すると、高カリウム血症という状態になり、重症化すると不整脈が起こる危険も。

アルカリイオン水のpH値は高ければ良いというわけではありません。安全に配慮し、pH10以上のアルカリイオン水は飲むことを控えましょう。

◇ 医薬品をアルカリイオン水と一緒に飲まない

ついミネラルウォーターと同じように気軽に摂取しがちですが、アルカリイオン水で薬を飲むことはやめましょう。

アルカリイオン水はその名の通りアルカリ性が強い水です。アルカリイオン水が薬に与える影響について具体的に確認されたわけではありませんが、念のため避けたほうがよいでしょう。

◇ 腎臓に障害がある人は医師に相談する

腎臓障害はもちろん、その他の病気で治療中の方は、アルカリイオン水を摂取して問題ないか必ず医師に相談するようにしてください。

胃腸症状を引き起こす原因となる病気は多種多様です。アルカリイオン水を飲用後に異常や不調を感じた際には、必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。

◇ 最初は中性に近いpH値から飲み始める

人間の体液はpH7.4前後の中性に近い値です。飲料水はこの値に近いほど身体に優しく、遠くなるほど身体への影響が大きくなると言われています。

高いpH値の水は身体に合わない可能性もあるので、最初は中性に近いpH8~9.0程度のアルカリイオン水を少しずつ飲むようにしましょう。2週間ほど飲んでみて問題がないと感じたら、徐々にpH数を高めたり、量を増やしたりして調整します。

また、生後1年くらいまでの乳児の場合、腸の働きが大人とは異なるため、アルカリイオン水の飲用はおすすめしません。離乳食を摂取できるようになればアルカリイオン水を飲んでも問題ないとされていますが、飲ませる際は低めのpH値で様子を見ましょう。

犬や猫などのペットに関しては、大量に与えなければ問題ないという主張もあります。しかし普通の水道水に比べ結石を作りやすいというリスクも。ペットにアルカリイオン水を与えてはいけないわけではありませんが、水は中性に近いpH値のものがおすすめです。

まとめ

アルカリイオン水には胃腸症状の改善などのメリットもありますが、きちんと摂取量を守ることが大切です。
スーパーでも気軽に手に入るようになったアルカリイオン水。体質改善のサポート飲料として、アルカリイオン水を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。